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この夏、子供と何度も読んだ絵本『お月さんのシャーベット』

暑い日々のなか、だんだんと秋めいた気配も感じるようになってきましたね。

しばらく更新をお休みしておりましたが、またぽつぽつと書いていきたいなと思います。

 

この夏、とある絵本を子供と一緒に何度も手にとって読みました。

『お月さんのシャーベット』という絵本です。

 


 

 韓国の絵本作家ペク・ヒナさんの作品を、長谷川義史さんが翻訳したものです。

 

あついあつい、夏の夜。

夜空のお月さまがぽたぽたと溶け始めて……というところから、物語がはじまります。

 

暑くて湿気をはらんでいるような、夏の夜の空気感。

エアコンの風や、外に出たときの夜風を心地よく思ったり、のどをすーっとすべり落ちてゆく氷菓が、とびきり美味しく感じられたり……。

 

ページをめくるたび、そんな「夏ならでは」の感覚を思い起こさせてくれる1冊でした。

 

この絵本のすごいところは、その制作過程!

紙でつくられた人形と、ジオラマでそれぞれの場面が立体的に表現されいて、それを撮影した写真によって、全ページが構成されているのです。

 

集合住宅の窓から見える、住民たちの家は、壁紙や家具、小物に至るまで作り込まれていて、何度見返しても本当に素敵!

明かりが灯る、それぞれのお部屋に特徴があって、見ていてとても楽しい気持ちになります。

(作者のペク・ヒナさんは、人形とジオラマの制作から撮影まで、すべておひとりで行われているそうです!すごい!)

 

物語の登場人物となる、紙の人形の表情も、どこかコミカルで愛らしく、とってもあたたかさを感じる絵本だなと思います。

 

そして、この絵本。

特徴的なのが、「関西弁」に翻訳されているということ。

 

日本語訳ではなく、関西弁訳なんです。

 

声に出してみると、どこかおおらかで、リズミカルで、あたたたかい言葉の響き。

 

そこがまた、絵本全体の雰囲気とマッチしていて、すごく素敵です。

 

子供も気に入ってくれたのか、眠る前に何度も「これ読みたい!」とリクエストしてくれました。

 

溶けてしまったお月さまの明かりが綺麗で、とても印象的。

 

夏の夜に、何度でもページを開いて読みたくなる、1冊です。