ゲーム・ブックで旅行気分を。『都会のトム&ソーヤ ゲーム・ブック 修学旅行においで』
子供のころ、ゲームブックを楽しんで読んでいました。
選択肢を選ぶごとに展開が変わっていって、1冊の本なのに何通りものストーリーを楽しめる形式にワクワクしたのを覚えています。
先日ふと、またゲーム・ブックを読みたいなぁと思い、手にとった本がとても面白かったのでご紹介します。
『都会のトム&ソーヤ ゲーム・ブック 修学旅行においで』
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はやみねかおるさんの『都会のトム&ソーヤ』というシリーズ作品の世界観で作られたゲームブックです。
もちろんシリーズものなので、『都会のトム&ソーヤ』のキャラクターが登場しますし、シリーズ作品を読んでいる人ならではの楽しさもあるかなと思いますが、初見の読者でも充分に楽しむことができる作品です。
(私は、このシリーズとは今回のゲーム・ブックがはじめての出会いでしたが、とても楽しめました)
このゲーム・ブックで主人公の「きみ」は、クラスのメンバーとともに修学旅行で奈良・京都へと出かけます。
途中で暗号を説いたり、ミッションをクリアしたりしながら、奈良・京都の観光名所を仲間とともに訪れていきます。
ゲーム・ブックなので、各所で「さあ、君はどうする?」と選択が現れ、読者は自分の意志で選択肢を選び取り、物語を展開させていきます。
この、「自分で選んでいく感覚」と、旅先を自分の足で歩いて楽しむ、という感覚がとても良くマッチしていて、まるで自分が旅行を楽しんでいるような気持ちになりました。
この本にはなんと、「修学旅行のしおり」までついています!
このしおりを見ながら「今は2日目のここだから…次に行く場所は〇〇だ」と考えたり、地図を眺めたり、持ち物について書き込んだり…と、「しおり」がある旅ならではの楽しさも経験できました。
わいわいと楽しみながら街をめぐる雰囲気がなんだか嬉しくて、ついつい読み進めてしまいます。
奈良・京都の観光名所や、宿での、友達との時間。
かつて訪れたことがある場所や、修学旅行で友達と過ごした時間をふと思い出して、懐かしい気持ちにもなりました。
講談社のYA! ENTERTAINMENTというレーベルの本なので、中高生向けなのかなと思いますが、大人の私が読んでも楽しめる本でした。
昨今はなかなか旅行に出かけるのも難しい日々が続いています。
その中で、ちょっぴり旅に出かけたような気持ちになれる本との出会いはとても嬉しい時間でした。
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今は、ひととおり、読み終えて(ゲーム・オーバーも、ノーマルエンドもハッピーエンドも経験して)、5歳の息子と一緒に、またはじめから読み進めています。
中高生向けだし、文字が多いから難しいかな?とも思ったのですが、各パラグラフ(場面)の文章はそんなに長くないですし、選択肢を選び取るのが面白いようで、一緒に考えながら読んでいます。
もちろん、謎解きなどは説明を入れながら一緒に考えていますが、今のところ、楽しんでくれている様子です。
ゲーム・オーバーになってしまったときは子供が本当に悔しそうにしていて、「もう1回!!」と再チャレンジしています。
観光名所については、せっかくなので、写真や画像を一緒に見て「こんな場所なんだよ〜」と話したりしながら、楽しんでいます。
日常とはまた違う、本の世界。
自分で「どう行動するか」を選ぶことで物語の展開を変えられるゲーム・ブックは、そんな本の世界の楽しさをたっぷり味わえる楽しい仕掛けだと思います。
ちょこっとお出かけ気分も味わえて、とっても楽しい本でした!
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