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雨の季節に、何度でも読みたい絵本『どしゃぶり』

6月も半ばになって、これから雨の日も多くなりそうですね。

 

雨の気配を感じる季節になると、読みたくなる絵本があります。

『どしゃぶり』

どしゃぶり (講談社の創作絵本)

 

 文章は おーなり由子さん、絵は はた こうしろうさん。

 

暑い夏の日に、ざぁっと降った通り雨。

どしゃぶりのなか、ひとりの男の子が過ごす雨上がりまでの時間を描いた絵本。

 

この絵本、絵や言葉から伝わってくる臨場感が本当にすごくて、私は大好きです。

 

たとえば。

 

夏の、照りつける太陽の暑さや、湿り気を帯びた空気の気配。

 

ふりはじめた雨のリズム、傘にあたる雨の音。

 

どんどん激しくなる雨を傘で受け止めるときの、からだに伝わる振動。

 

裸足でばしゃんと水に触れる、その肌のつめさた、心地よさ。

 

雨上がりの、キラキラした街やすっきりと澄み切った空気。

 

……そういうものたちが、絵本のページいっぱいに描かれた絵から伝わってきて、まるで絵本から雨が飛び出してくるみたい!

 

雨に濡れたことは、きっと誰にもあるはず。
大人になると雨の日って、やらなければいけない家事が増えたり、髪や服の手入れに手間がかかったりして、ちょっと憂鬱になってしまうこともありますね。

でも、子供のころ、ジャブンと飛び込んだ水たまりの水しぶきが面白くてたまらなかったりしたことや、肌に触れる雨がつめたくて気持ちいいーー!!って思った記憶も、たくさんの人が持っていると思います。

この絵本は、そんな雨とのふれあいを、あざやかに思い起こさせてくれます。

雨の音や、におい。そのつめたさまで。まるで今、そこにあるみたい。

 

おーなり由子さんの言葉のリズムもとっても心地が良くて、たくさんの擬音の表現にびっくりします。

雨の音ってこんなに豊かに表現できるんだ!と驚きました。

いろいろな音がたくさんで、息子も言葉で表現された音が面白いようで、この絵本を読むと、たくさん笑ってくれます。

 

 つい先日も、寝起きの子供と一緒に、この絵本を読みました。

起きたばかりでまだぼんやりしている子供の横へ、この絵本を持ってすっと近づくと、ぱっと笑顔になって「読んで!」「これ読んでほしかったの」と。
たくさんの擬音と、雨とのふれあいにきゃっきゃと声をあげて笑ってくれて。

読み終えたあとの気分は、雨上がりのように爽やか。

とっても楽しい時間になりました。

 

ちょっと憂鬱になりがちな雨の時期に、明るい楽しさを感じさせてくれる、大好きな絵本です。

 

これからの季節に、また何度でも読みたいなと思っています。 

 

どしゃぶり (講談社の創作絵本)